縄文縦縞布  1997年

1997 制作 染・清流館蔵

絵作りをやめてみようと思った。いっさいの絵心を捨てて、システムだけで作ることを試みた。縦縞一本ずつをハンドスクリーンプリントで染め、横へ横へと移動しながら作り上げていく。巨大な布なので、作業中は当然、全部が視野には入らない。作業台上のスペースだけが一日の仕事量。色や模様はその範囲だけを見ながら、できるだけ無感情に配して いく。作業は数日続く。全体像を見るのは展覧会の会場で初めて可能になる。こんな風になっていたのかと、作品の出来上がりに作り手が驚く。「計画に忠実に」や、「バランス をとりながら」などという制作上の憂いを遠ざけると、こんなにもすがすがしいものづくりができるものなのかと驚いた。

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H310×W400 cm(布) 
綿布、布テープ、糸/染料、スクリーンプリントなどの混合技法 (染・清流館蔵) 

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