パズル(浴衣) 2011~

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染めに従事するなら、「美術作品だけではつまらない」という思いは、学生時代からずっと持ち続けている。衣服にも大いに興味を持っていた私は、浴衣やアロハシャツ、その他 の衣類、雑貨など、生活の中で使う布物もいろいろ作ってきた。人の手に渡り、使われ、消耗していくことも染め物の良き道だと思っているので、もう私の手元にはほとんど無く、今回、その多くは展示できないが、浴衣「パズル」を並べる。タイトルのとおり、浴衣の反物 12m に手持ちの自作スクリーン枠を用いて模様をプリントしていくのはアドリブ作業。白生地の端から順番にプリントする。出来上がった12mの生地を、浴衣のパーツに裁断し縫製するのは、仕立屋さんの仕事。その分業を活かそう。無計画のように見える分業 行為は、最終的にはジグソーパズルのように、バチっとはまってくるから不思議だ。どこをどう使おうと、そもそも直線の布。直線裁ちは日本文化の合理性であり、不思議な豊かさだ。

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綿布/反応性染料によるデジタルプリント (作家蔵)

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